フィナステリドの副作用の発現率は、AGA治療で使われる1mgの場合、臨床試験では性機能に関する副作用が合計3.8%でした。主な内訳は、性欲減退1.8%、勃起機能不全1.4%、射精障害1.4%です。
ただし、これらは特定の臨床試験で報告された割合です。服用量、対象者、調査期間、プラセボ(有効成分を含まない薬)との比較方法によって発現率は変わるため、すべての人に同じ割合で起こるとは限りません。
フィナステリドの主な副作用と発現率
AGA治療で使用されるフィナステリド1mgの臨床試験では、次のような性機能関連の副作用が報告されています。
| 副作用 | フィナステリド1mg | プラセボ |
|---|---|---|
| 性欲減退 | 1.8% | 1.3% |
| 勃起機能不全 | 1.4% | 0.6% |
| 射精障害 | 1.4% | 0.9% |
| 性機能に関する副作用の合計 | 3.8% | 2.1% |
この数値から計算すると、フィナステリドを服用した人の約96%では、試験中に性機能関連の副作用が報告されなかったことになります。ただし、複数の副作用を経験した人が含まれる可能性があるため、各項目の割合を単純に足し合わせて全体の発現率と考えることはできません。
副作用の発現率はプラセボでも報告されている
臨床試験では、フィナステリドを服用していないプラセボ群でも、性欲減退や勃起機能不全などが報告されています。副作用として報告された症状が、すべてフィナステリドだけによって起きたと断定できるわけではありません。
一方で、フィナステリド群のほうがプラセボ群より高い項目もあります。そのため、発現率を見るときはフィナステリド群の数字だけでなく、比較対象の発現率も確認することが重要です。
副作用はいつまで続く?
臨床試験では、性機能に関する副作用は服用中止後に改善した例が報告されています。ただし、服用をやめた後も症状が続いたという報告もあり、すべての人が同じ経過をたどるとは限りません。
服用中止後も性欲減退、勃起機能不全、射精に関する症状などが続く場合は、自己判断で再開・中止を繰り返さず、処方した医師に相談してください。症状の原因がフィナステリドによるものかどうかは、症状の経過やほかの病気、服用薬なども含めて判断します。
性機能以外に報告されている副作用
フィナステリドでは、性機能関連以外にも次のような症状が報告されています。
- 精巣痛
- 乳房の圧痛や腫れ
- 発疹、かゆみなどの過敏症状
- めまい
- 抑うつ気分や気分の変化
これらの発現率は、資料や調査方法によって異なります。また、頻度を正確に算出できない市販後の報告も含まれるため、特定の割合として示せない症状があります。
乳房にしこりや痛みを感じた場合、強い気分の落ち込みがある場合、または発疹や顔・唇の腫れなどが現れた場合は、服用を続けるかどうかを自己判断せず、早めに医師へ相談してください。
1mgと5mgでは副作用の発現率を同じように考えない
フィナステリドには、AGA治療で使われる1mg製剤のほか、前立腺肥大症の治療で使われる5mg製剤があります。1mgと5mgでは、使用目的、対象となる患者、用量、臨床試験の条件が異なります。
そのため、5mg製剤の試験で報告された発現率を、そのままAGA治療の1mgに当てはめることはできません。AGA治療の副作用を知りたい場合は、1mgを対象にした資料の数値を確認してください。
発現率だけで服用の可否を決めないことが大切
フィナステリドを服用するかどうかは、副作用の発現率だけでなく、期待できる効果、既往症、併用薬、妊娠の可能性がある人との接触なども含めて判断します。
特に、フィナステリドは女性や小児には通常使用されません。妊娠中の女性は、割れた錠剤に触れないよう注意が必要です。服用前に、医師または薬剤師へ自分の病気や服用中の薬を伝えてください。
フィナステリドの副作用発現率の見方
- AGA治療の1mgか、別の目的で使う5mgかを確認する。
- 「性機能関連の副作用全体」か、「性欲減退」「勃起機能不全」など個別の症状かを確認する。
- フィナステリド群だけでなく、プラセボ群の発現率も比較する。
- 調査期間や対象者など、発現率が調べられた条件を確認する。
- 症状がある場合は、発現率にかかわらず処方した医師へ相談する。
結論として、AGA治療のフィナステリド1mgでは、臨床試験における性機能関連の副作用の合計は3.8%でした。主な内訳は性欲減退1.8%、勃起機能不全1.4%、射精障害1.4%ですが、発現率は試験条件によって変わります。症状が現れた場合は、数字だけで自己判断せず、医師に相談してください。







