AGAの血液検査で調べる項目は、すべての人に共通して決まっているわけではありません。一般的には、貧血や甲状腺の病気、栄養不足など、AGA以外の脱毛原因を見分ける項目と、治療薬を使える状態か確認する項目を調べます。
AGAは問診や頭皮・毛髪の診察を中心に判断します。血液検査だけでAGAと確定したり、血液検査の結果だけで治療方針が決まったりするわけではありません。
AGAの血液検査で調べる主な項目
| 検査項目 | 確認すること | 調べるケース |
|---|---|---|
| 血算(血球検査) | 貧血や血液の異常がないか | 脱毛以外に疲れやすさ、息切れなどがある場合 |
| 肝機能 | AST、ALT、γ-GTPなど。肝臓の状態を確認 | 内服薬を使う前や、既往症・服用薬がある場合 |
| 腎機能 | クレアチニンやeGFRなど。腎臓の状態を確認 | 持病がある場合や、医師が必要と判断した場合 |
| 甲状腺機能 | TSH、FT4など。甲状腺の異常による脱毛がないか | 全身の抜け毛、体重変化、動悸、寒がりなどがある場合 |
| 鉄・フェリチン | 鉄不足や、体内に蓄えられた鉄の量 | 貧血が疑われる場合や、脱毛が広範囲に及ぶ場合 |
| 亜鉛、ビタミン類 | 栄養不足が脱毛に関係していないか | 偏った食事、急なダイエット、栄養不足が疑われる場合 |
| 男性ホルモン関連 | テストステロンなどのホルモン状態 | 症状が典型的でない場合や、ホルモン異常が疑われる場合 |
この表の項目をすべて一度に調べるとは限りません。症状、年齢、既往症、服用薬、脱毛の進み方などをもとに、医師が必要な検査を選びます。
AGAの検査でホルモン検査は必須ではない
AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、酵素の働きでジヒドロテストステロン(DHT)に変化し、毛根に影響することが関係しています。しかし、血液中のテストステロンやDHTを測定すれば、AGAの有無をそのまま判断できるわけではありません。
そのため、典型的なAGAでは、男性ホルモンの血液検査を毎回行うとは限りません。急に脱毛が進んだ、脱毛の範囲や形が典型的ではない、性機能や体毛などにホルモン異常を疑う症状がある、といった場合に追加されることがあります。
薬を使う前に血液検査をする理由
血液検査は、AGAそのものを調べるだけでなく、治療薬を使用して問題がないかを確認する目的でも行われます。特に、肝臓や腎臓の病気がある人、複数の薬を服用している人は、検査項目や治療方法が変わることがあります。
ただし、薬の種類によって必要な確認は異なります。血液検査に加えて、血圧、脈拍、持病、現在の服用薬などを確認する場合もあります。検査を受ける際は、サプリメントを含めて現在使っているものを伝えてください。
AGAの血液検査で分からないこと
血液検査だけでは、次のことを確定できません。
- AGAであるかどうか
- 将来どこまで進行するか
- 薬がどの程度効くか
- 髪の毛が生えない原因が毛根にあるかどうか
AGAの診断では、抜け毛が始まった時期、家族歴、頭頂部や生え際の状態、毛髪の太さの違いなどを確認します。円形に抜ける、頭皮に赤みや痛みがある、急に大量の髪が抜けたといった場合は、AGA以外の病気も考える必要があります。
検査項目は受診前に確認できる
クリニックによって、初診時に行う血液検査の項目や費用、検査が必要になる条件は異なります。受診前に、次の点を確認すると検査内容を把握しやすくなります。
- 血液検査は全員が受けるのか、医師が必要と判断した場合だけか
- 血算、肝機能、腎機能、甲状腺、鉄など、どの項目を調べるのか
- 検査費用が診察料や薬代に含まれるのか
- 過去の検査結果や、お薬手帳を持参できるか
AGAの血液検査では、血算、肝機能、腎機能、甲状腺機能、鉄・フェリチンなどを、症状や治療内容に応じて調べます。男性ホルモン検査や亜鉛・ビタミン検査は必須とは限らないため、脱毛の状態や健康状態に合わせて医師が判断します。







